杉の植林は間違いだったのか


また花粉症の季節がやってきました。今年は大変多い
とか。ひどい方にはお見舞い申し上げます。


戦後、杉ばかり植えたために花粉症が起こっている、
と植林政策に批判が出ています。
その多くは、
「政府・林野庁の役人が無能だから」
というものです。


しかし、本当にそうでしょうか?
みなさん戦後の状況をお忘れではないでしょうか。
と言うか、若い人は知らないのでしょう。


植林は文字通り100年の計です。
桧を育てるには100年、成長の早い杉でも50年
かかります。


65年前、日本は戦争に敗れ、都会は焼け野が原
でした。大急ぎで住宅を再建しなければなりません。
しかし、それには大量の木材が要ります。


戦争に敗れた日本には、外国から木材を買うお金が
ありませんでした。
大急ぎで木を育てよう。家を建てるための木を。
柱材を取るためにまっすぐ育つ木。早く成長する木。
ということで杉が選ばれました。


その後日本はお金持ちになって、外国からいくらでも
木が買えるようになりました。


だからといって、今になって
「65年前のあの選択は間違いだった」
「住宅用の木材は外国から買えば良い。広葉樹を
 植えるべきだった」
と言うのは簡単です。
しかし、私には出来ません。