内定取り消しと内定辞退


この不況で、来春卒業する人の就職内定取り消しが多くなり、
社会問題になっています。


政府の見解によると「内定は雇用契約を結んだのと同じ。特別な
事情が無ければ取り消しはできない」 だそうです。


そこで、私が以前から「内定」について感じていたことを書きます
と・・・


40年前、私が学生だった頃は、就職先は担当教授が紹介して
くれた企業に就職試験を受けに行き、ほとんどが合格して内定を
もらいました。そして内定をもらった企業へは必ず就職しなけ
ればならない、それが常識でした。


ところが最近は、1人で多くの企業から内定をもらい、その中
から好きな企業へ就職する、という風潮であるようです。


1人が2社から内定をもらうとすると、企業の側からすると、
内定を出した学生さんの2人に1人しか入社式に来ない、という
こと。


だとしたら、企業が企業の事情で内定を取り消すのも、たいした
罪悪感を感じない、ということになるのが道理です。


考えてみると、社員の首を切るのは特別な事情がなければ許され
ないけれども、社員が自分から退職するのは自由なのです。


これと同じで、内定取り消しは許されないけれど、内定辞退は
自由。なんですよね。


でもねー。


企業と内定者との信頼関係を崩したのは、どちらが先だったので
しょうか。