定期昇給とベースアップ
今日、春闘の集中回答日でした。「集中回答日」 ってなんだ?
横並びにする意味は? などという詮索はやめておきます。
多くの企業は、「ベースアップなし、定昇のみ」 という回答でした。
ところで皆さん、ベースアップと定期昇給の違いを知っていますか。
(知っている、という人はこの日記は飛ばしてください)
ある会社の賃金表が下のようになっていたとします。
左側が現在の賃金表。右側が改定された賃金表です。賃金表の改定は
春の賃上げの時に行われます。
基本給額 改定基本給額
1年目 15.0万円 1年目 15.1万円
2年目 15.5万円 2年目 15.6万円
3年目 16.0万円 3年目 16.1万円
4年目 16.5万円 4年目 16.6万円
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ベースアップとは、賃金表を右側の表へ改定することです。
定期昇給とは勤続年数が1年増えて新入社員(1年目の人)は2年目の
基本給になることです。
この表でいえば、昨春の新入社員はベースアップで1000円増え、
定昇で5000円増え、合わせて6000円の賃上げになるわけです。
ですから春闘の賃上げ回答で「1000円のベースアップ」 と
「定昇込み6000円の賃上げ」 とは同じ意味になります。
今回の回答で、一部の会社は「定昇凍結」 を回答しました。
この不況下ではやむを得ないとは思いますが、定昇凍結をすると困った
事が起こります。それは・・・
この春、新入社員が入ります。その人の基本給は賃金表通り15万円
です。一方、昨年春に入った人は2年目になりますが、定昇凍結です
から基本給は15万円で、同じになってしまいます。
もう一つ困ったことは、昨年春の新入社員は3年後、賃金表の4年目
になるべきところを3年目の適用になっていて、混乱します。
これを正常に戻すには、ある年に2年分の定昇をしなければなりま
せん。
大幅賃上げになってしまい、大変です。