真実は?

環境問題はなぜウソがまかり通るのか」という本が話題になっています。
その本に対する反論も出て、論争になっています。

そもそも、地球が温暖化すると海水面は上昇するのか、しないのか。
二酸化炭素濃度と気温は相関関係にありますが、二酸化炭素濃度が上昇した
から気温が上がったのか、気温が上がったから二酸化炭素濃度が上昇した
のか。

どうなんでしょう。誰にもわかりません。

この問題について、世界で一番権威のある報告書は
気候変動に関する政府間パネルIPCC)でしょう。
それの日本語版抜粋を読む機会がありましたので、ご紹介します。
私の興味の有る所だけ。
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過去100年間(1996〜2005)で平均気温は0.74℃上がった。
最近の50年間ではそのほぼ2倍のペース。
21世紀末(2090〜2099年)に1.4〜5.8℃上昇と予測。

平均海面水位上昇は1999年比21世紀末に
環境保全重視シナリオで18〜38cm上昇、
経済成長重視シナリオで26〜59cm上昇、と予測。

温暖化により、大気中の二酸化炭素の陸地と海洋への取り込みが減少する
ため、人為起源排出の大気中への残留分が増加する傾向にある。

既に生じている影響は以下
氷河湖の増加と拡大  ・永久凍土地域における地盤の不安定化
・春季現象の早期化   ・動植物の生息域の高緯度、高地方化
・多くの地域の湖沼や河川の水温上昇 
・熱波による死亡、媒介生物による感染症リスク
など

食物の生産量は、平均気温の上昇が1〜3℃まででは増加、それを超えて
上昇すると減少に転じる

温室効果ガスの排出量は産業革命以降増えており、温室効果ガス全体として
1970年から2004年の間に約70%増加した。現状のままでいくと
世界の排出量は次の数十年も引き続き増加する。

2030年を見越した削減可能量は、予測される排出量の伸びを相殺し、
さらに現在の排出量以下にできる可能性がある。

開発の道筋を、より持続可能な開発に向けるならば、気候変動の緩和にも
大きく貢献する可能性がある。
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最後の部分は希望が持てる内容ですが、安心できません。
我々が努力しなければならないことを示しているのです。